新宿在住のアーティスト・ヴィヴィアン佐藤さんが日頃から利用している歌舞伎町のインターネットカフェ＆カプセル「Booth Net cafe ＆ Capsule」。そこに、若手クリエイターやアーティストを招き、対談する本誌連載『ヴィヴィの部屋』の拡大版。
第6回目のゲストは、ソロプロジェクト「ZOMBIE-CHANG」として活動する、ミュージシャンのメイリンさん。対談では、ヴィヴィアンさんが作ったヘッドドレスを着用。そして、ヴィヴィアンさんはメイリンさんの顔がプリントされたメイリンさんプロデュースのTシャツを着て登場です。
ヴィヴィアン佐藤（以下、ヴィ）：メイリンと出会ったのは昨年の『加賀温泉郷フェス』（音楽イベント）で、私のヘッドドレスのワークショップに参加してくれたのよね。
メイリン（以下、メ）：ライブ直後にワークショップの前を通ったら子どもたちが楽しそうに作っていて、大きいお花を付けているし、「私も作りたい！」と思って。
ヴィ：誰よりも一番真剣に作り出すし、「何だろこのお客さんは？」と思ったら出演者だった（笑）。
メ：すごく楽しくて、今度作るときは鳩付けたいです、本物の鳩！
ヴィ：どうして鳩なの？
メ：どこの国や地域に行ってもいるし、犬や猫と違って近付いても無関心というか逃げない。ただそこにいてくれるという安心感が好きなんです。
ヴィ：音楽はもともと何を聴いていたの？
メ：んー、ラモーンズとか。
ヴィ：正統派のパンク野郎ね（笑）。そこからどうして電子音楽に？
メ：最初はギターをやっていたけれど、バンドメンバーが見つからなくて。それで、高校生のときに「フォーエバー21」に行ったらBGMが電子音しか流れていなくて、高校生の頃からパソコンいじるのが好きだったし、こういう場所で聴いてもらえるなら電子音にしようと思ったのがきっかけです。
ヴィ：ロック×電子音も人気よね。私、プロディジーのキースは友だちで、奥さんとも仲良しだったのよ。
メ：すごい……。私はいまは完全に電子音モードで、「ああ、はいはい、そうね、シンセ使ってるんでしょ？」って思われる曲よりも、もっとちゃんとテクノやエレクトロが好きな人にも聴いてもらえる曲、「やるじゃん！」って思われる曲を作りたいです。
ヴィ：新宿でライブをすることはある？
メ：あまりないけれど、クラブの「WARP」ではやってみたいです。広いし、いろいろ装飾できそう。プロレスリングがある「FACE」でもやってみたい。
ヴィ：巨漢のプロレスラーをやっつけるMVとかかっこいいかもね。ラウンドガールもレフリーも観客も全部メイリンで、ひとりプロレス（笑）。
メ：それやってみたいです、楽しそう！ 良いアイデアもらいました！ ヴィヴィアンさんにも出演してほしい（笑）。
ヴィ：メイリンは世界観があるから展覧会とかやるのもいいよね。新宿だと、メイリンは洋服のデザインもやっているから、ビームスギャラリーとか。立体的に、ライブではできないことをやったりとか。
メ：そうなんですよ、前からめっちゃやりたいと思っていて、いずれ、自分の曲とアートワークだけの企画をしたいです！
ヴィ：新国立競技場の近くのバー「bonobo（ボノボ）」や「Le sang des Poetes（ル サン デ ポエト）」（＝フランス語で「詩人の血」）も合いそうね。「詩人の血」は、外苑西通り沿いにあって、チェゲバラの帽子をかぶった大きなモナリザの看板があるの。いろんなアーティストが来るし、絶対合うと思う！
メ：行きたいです！ 私、これまでほとんどお酒を飲んでこなかったけれど、最近、少しだけ飲めるようになってきたので、ヴィヴィアンさんとも飲みたいです。
（撮影：高澤梨緒）
【取材場所】
お洒落で清潔感のある新宿のネットカフェ＆カプセル
Net Cafe ＆ Capsule Booth
■ヴィヴィアン佐藤
19××年生まれ。新宿区在住のアーティスト、映画評論家、ドラァグクイーン。新宿をはじめ、広島県尾道市、青森県七戸市では観光大志として町おこしも精力的に行なう。「殺しのヘッドドレス」と称し、ヘッドドレスのワークショップも定期開催。
https://twitter.com/viviennesato
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