【バックナンバー】ヴィヴィアン佐藤の新宿ノスタルジー「第6回 千鳥街跡地」
※本記事は『JG』vol.85(2016年5月26日発行号)に、一部加筆・修正し転載しています。
新宿在住のアーティスト・ヴィヴィアン佐藤さんが、過去の新宿~四谷の街へタイムスリップ!? 今昔写真でたどる街の変遷。
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【第6回】千鳥街跡地
オリンピックのために消え、
二丁目に移った飲み屋街
戦後1950年から60年代前半まで、新宿御苑新宿門と新宿高校の前あたりには「千鳥街」という飲み屋街があったわ。
美輪明宏さんによれば、新宿二丁目ゲイ喫茶は’51年頃にできた「イプセン」が第一号店。「千鳥街」にも銀座からゲイ喫茶「蘭屋」が移転。「ジミー」や「黒い瞳」といった、女装バーの創世記だったとも聞くわ。当時の日本では、ゲイや女装バーは相当アングラ文化だったみたいね。
ちなみに、この界隈に沖縄料理屋が多いのは、「蘭屋」の前田オーナーが沖縄出身で、地元から知り合いをたくさん呼んできたからだそう。その後、’58年に売春禁止法が施行され、界隈の赤線は廃止。そこにゲイバーが徐々に参入したようね。
現在、「千鳥街」は跡形もないわ。’62年に、2年後の東京オリンピックに向けて御苑大通りを拡張するために取り壊されることに。代わりに、60年代後半に新宿二丁目に「新千鳥街」が完成したみたい。
2020年の東京オリンピックはすぐそこ。50年以上のタイムラグで、オネエ文化はいま日の目を見ているのかしら!?
2016年時。
■ヴィヴィアン佐藤
非建築家、アーティスト、イラストレーター、パーティイスト、ドラァグ・クイーン、文筆家、映画評論家など、さまざまな顔をもつ、JGエリアの“動くオブジェ”。 ジャンルを横断し、独自の美意識と哲学で“トーキョー”と“現代”を乗りこなす。
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