
自販機でいつでも買える! 新宿名物「内藤とうがらし」大久保駅から歩いてすぐの今田新聞店前でゲット!
新宿の歴史と風味が詰まった『内藤とうがらし』をご存じですか? 江戸時代にこの地で生まれ、“新宿の名物”として親しまれている伝統野菜です。そんな『内藤とうがらし』を気軽に手に入れられるのが、JR大久保駅から徒歩約3分、今田新聞店の店頭に設置された自販機です。青色が目印の自販機には、手土産にもぴったりな商品がずらり。今回はそんな注目のスポットをご紹介します!
江戸の伝統野菜、内藤とうがらしとは?
江戸時代、現在の新宿御苑北側一帯には『内藤新宿』と呼ばれる宿場町がありました。
当時の江戸では蕎麦が大流行しており、すっきりとした辛さの『内藤とうがらし』は薬味として大人気に。しかし、明治時代になり新宿の人口も増え、都市化にともなう田畑の減少や『鷹の爪』の登場により、内藤とうがらしは次第に姿を消していきました。
そんな伝統野菜を復活させようと、2010年に『内藤とうがらしプロジェクト』が始動。実が房状につく『八房種(やつふさしゅ)』の古い種を探し出し、見事に復活を遂げました。現在では契約農家による栽培が行われ、2013年には『江戸東京野菜』にも認定されています。
目印は鮮やかな青い自販機

JR大久保駅の南口を出て国際色豊かな道を抜けた小滝橋通り沿い、今田新聞店さんの前に設置されている内藤とうがらしの自販機。
「すぐ近くにバス停があるので、バスの中から自販機を見つけて気になり、わざわざ戻って買いに来られる方もいるんですよ」と、にこやかに話してくださったのは、今田新聞店の代表・今田済士さん。今田新聞店の三代目として地域に情報を届け続ける、街の頼れる新聞屋さんです。
今田さんは、新宿生まれの新宿育ち。ある日、内藤とうがらしプロジェクトを知り、その存在をお客さんたちに知ってもらいたいと、内藤とうがらしの苗を無料で配る活動や、折込チラシでの紹介を始めたそうで、自販機を置き始めた経緯を次のように話します。
「新宿にこのような歴史のある野菜がある事を知って、『これはすごくいいな』と思ったんです。街の新聞屋さんというのは、ある程度配る地域が決まっていますから、まずは地元の人たちに知ってもらいたいなと思いました。広める活動をする中で、お客さんから結構反応がありまして『どこで買えるの?』という声をいただいたんですね。そこでうちの店頭でもいつでも買えるようにと、まずはロッカー型の自販機を設置しました。現在の青い自販機は二代目で、2023年から置いています。」

「粋な江戸土産」としてもおすすめ!
現在、この自販機では10種類の内藤とうがらしの加工品を購入することができます。一味や七味はもちろんのこと、内藤とうがらしを使用したラー油や柚子胡椒など、商品のバラエティも豊かです。今田さんは、新宿土産としてもおすすめしたいと話します。
「売れ筋は、『内藤とうがらし七色』ですね。江戸時代の人は、“しちみ”とは言わずに“なないろ”と言っていたそうです。とてもおしゃれですよね。ですので、現代版も同じ呼びかたにしています。とうがらしは日持ちもしますし、かさばらず手軽に持ち帰れるので新宿土産にもぴったりだと思います。また、世界共通の野菜なので、最近は多くの外国人のお客さんも買ってくれるようになりました。」

今回、筆者が特に気になったのは『内藤とうがらしポケット七味』。一見するとサインペンのようなスマートな見た目で、クリップキャップ付きというユニークなデザインが目を引きます。持ち手には、内藤とうがらしを売る商人のイラストが描かれており、これもまた味わい深いポイント。中身には、一番人気の『内藤とうがらし七色』が入っており、薬味の素材ひとつひとつが大きく、ピリッとした辛さと香ばしさが広がる味わいが特徴。使い切った後は詰め替えて繰り返し利用できるのも嬉しいところです。


“新宿発・内藤とうがらし”を多くの人へ
東京のど真ん中で生まれ、江戸っ子たちに愛されてきた内藤とうがらし。今田さんはこの街で生まれた内藤とうがらしをとにかく多くの人たちに知ってもらいたいと話します。
「私も最初は、内藤とうがらしのような伝統的な野菜があることを知らなかったんです。でも、こうした新宿らしい文化をまずは地元の人たちに知ってもらい、そこから少しずつ広まっていってくれたら嬉しいなと思っています。自販機についても、いずれは2台目、3台目と設置を増やして、もっと多くの人に気軽に手に取ってもらえるようにしていきたいですね。」
時代の流れとともに一度は姿を消しましたが、多くの人の想いと努力によって、今ふたたび私たちの暮らしの中に戻ってきた内藤とうがらし。昔も今も賑やかな新宿の一角で生まれた歴史ある“新宿の味”をぜひ手に取って、その奥深さを感じてみてください。
所在地 :東京都新宿区百人町1-23-2
今田新聞店店頭 内藤とうがらし自販機 (24時間購入可能)
アクセス:JR「大久保駅」から徒歩約3分
内藤とうがらし自販機X:https://x.com/news_imada
内藤とうがらしプロジェクト公式サイト:https://naito-togarashi.tokyo/
