“不愉快な似顔絵”で己を振り返る、「BAR星男」で能町みね子さん展覧会!
アートと音楽が楽しめる新宿2丁目のバー「BAR星男」で31日まで、漫画家・ライターの能町みね子さんの生原稿展覧会が行われています。能町さんご本人も毎週金曜20時~24時くらいまでお店にいらっしゃるそう。そしてそのときに著作本を買った人には、その場で能町さんご本人が“不愉快な似顔絵”を描いて下さいます。不愉快な似顔絵……? とりあえず行ってまいりました。
能町さんは、『くすぶれ! モテない系』など、“モテ”への複雑な葛藤や自意識を綴った作品で有名。モテないのってやばいような……でもモテって下らないような……けど本当はモテたいような……いや、そうでもないかな……? このような行きつ戻りつの“モテ”迷い道に、若い女性を中心として多くの人が共感しています。
さて、さっそく“不愉快な似顔絵”描いて頂きますか! わたくし、このためにわざわざ取材前に化粧を直しました。せっかくなので似顔絵の間は眼鏡も外します。さあ、不愉快にさせてもらおうじゃん!?
「あっ、すみません。うっかり眼鏡描いてしまいました」
これはジャブなのか……? あっという間に似顔絵が描きあがりました。速いです。あれ、想像より遥かに可愛い……? 2週間は落ち込むだろうと心の準備をしてまいりましたのに。嬉しい~。でもなんで泣き顔なんでしょう。
「泣いてるイメージをなんだか感じまして」
“不愉快”ってそういうことか……“不愉快”というより“えぐってくる”という感じです。なぜって思い当たる節が……。似顔絵を持って打ち震えている私に向かって「BAR星男」マスターの宗久さんが「辛い恋愛してました?」と畳み掛けてきます。まあ確かに……私……男の人にわりと簡単に金品渡しちゃうほうではありますが……似顔絵タイトルの「なんで泣いちゃうんだろう」とか実際お金貸しちゃった夜にノートに書いたりしていました。どうしてわかったの! 的確! 怖い! 似顔絵でありながらカウンセリング的でもある。この洞察力が、素晴らしい作品を生み出すのですね。
ちなみに私のオススメの作品は、『ときめかない日記』。出会い系に登録しちゃったり、無理に好きな人を作ろうとしたり、少し褒められただけでときめいてしまったり。「モテたい」、「恋人が大好き」と心の底から言えない、言いたくないというメンタルを抱えた方は、主人公の迷走に何かしらの心当たりを覚えるのではないでしょうか。もちろん他の作品も素敵なものばかり。処方箋のごとく、自分の“こじらせ”に一番合ったものを見つけ出しましょう。
能町さんが「BAR星男」にいらっしゃる詳しい時間は、Twitterやfacebookでお知らせするそうです。こちらをチェックしてぜひお店に行ってみて下さい。