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6月21日(日)まで『1960・70年代 日韓名作映画祭』開催中/中原昌也

韓国との国交正常化50周年を記念して『1960・70年代 日韓名作映画祭』が、駐日韓国大使館 韓国文化院の主催で6月21日(日)まで開催中です。同映画祭では、1960年~70年に製作された、韓国と日本の名作映画を上映。さらに、両国の関係者をゲストに迎え、トークショーや対談などのイベントも行われます。

 

50年前の両国の映画を観て、互いの大衆文化の変遷を知るというのは、現在の日韓関係を見つめ直す上で、とても重要なことでしょう。時代、国家、人種を超えて、あらゆる人間の心に訴えかけるというのが、その時点の情報を伝える即効性に特化したテレビ番組とは異なる優れた映画の条件であり、今回上映される作品はどれも名作、傑作と呼ぶに相応しいものばかり。

 

日本からは加山雄三や植木等や怪獣映画などの東宝娯楽路線や、川島雄三や大島渚や新藤兼人、中平康といった監督の松竹、日活の個性的な作品のバランスのよいラインナップ。これは日本映画の黄金時代が俯瞰できる優秀なプログラムで、これから昔の日本映画をいろいろと観ようという方々にとっても有意義な上映となっています。

 

また今回上映される韓国映画のラインナップも、世界的に見て大変興味深い、貴重な作品ばかり。60年代の韓国を代表する三人の巨匠、キム・ギヨン、シン・サンオク、そしてユ・ヒョンモクの作品が二本も上映されるのが重要。これらの作品は日本でも度々、小規模の特集上映で観る機会はあったものの、こうして韓国映画の代表作を幅広くまとめて鑑賞するというのは、映画ファンでなくとも絶対に見逃せません。特にキム・ギヨン監督の『下女』(2010年に『ハウスメイド』というタイトルでイム・サンス監督、チョン・ドヨン主演でリメイク)は、数年前マーティン・スコセッシ監督の映画財団でデジタル修復され、永久保存されるほど、世界中の映画ファンを驚愕させた異形の名作。このような作品が1960年に製作されていた事実に、ますます韓国映画への興味を募らせる日本の観客が増えることでしょう。

 

会期中に開催されるトークショーも豪華。韓国からはユ・ヒョンモク監督の映画『糞礼記』(1971年)出演のサ・ミジャさん、映画『憎くてももう一度』(1968年)主演のシン・ヨンギュンさん、日本からは共同通信社編集委員の立花珠樹さん、女優の香川京子さんを迎え、時代背景から読み解いて、それぞれの作品世界にグッと迫ります。

 

連載もスタート!
【中原昌也JGweb連載】新宿~四谷で一時間考えたこと

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