「新宿ルネッサンスをこれからも」──中山弘子前・新宿区区長がスローライフ学会主催の『さんか・さろん』で講演
11月17日(火)、麹町で開催された『さんか・さろん』(主催:スローライフ学会)。中山弘子前・新宿区区長が講師として出席し、「新宿ルネッサンスをこれからも」というタイトルのもと、街の歴史や区政についての講演を行ないました。
区長を務めていた2005年に『歌舞伎町ルネッサンス推進協議会』を立ち上げ、違法風俗店や客引きを規制する『クリーンプロジェクト』を進めてきた中山さん。歌舞伎町は、戦後、焼け野原となった一帯を復興させるため、新宿コマ劇場(現・新宿東宝ビル)などの芸能施設を備えた”道義的繁華街”として誕生した街です。その歴史に造詣が深い中山さんは、「風俗の街だからといって一概に規制すると、産業が消えてさびれてしまう。今なお進化を遂げる新宿には、街並みを楽しみに訪れる若い方や外国籍の方も多い。大事なのは、その場所が持つ遺伝子を活かした、持続可能な産業のある街づくりをしていくこと」と、これまでの施策とともに街への思いを語りました。
さらに、新宿に住み続けたい、と、生まれ育った地元に愛着を持つ高齢者も多いと言い、区長時代からのスローガン「暮らしやすさも賑わいも一番の自治のまち新宿」が示す通り、「住まい、経済活動、雇用の充実が、豊かなスローライフの実現につながっていく」と述べました。
『さんか・さろん』は、個人や自治体関係者で構成される学会員を対象に、毎月第3火曜に開かれる勉強会。スローライフ学会は、自然・歴史・文化を大切に”スローライフ”のある街づくりを推進するNPOスローライフ・ジャパン(理事長:川島正英)に帰属する学会です。
全国の地域と関わる同団体は、2003年の創立記念講演を早稲田大学で行ない、第1回学会フォーラムを「新宿・歌舞伎町からスローライフの風を」と題して開催するなど、新宿とも深い結び付きがあります。
なお、スローライフ学会初代会長を務めたのは、生前、ニュースキャスターとして名を馳せた故・筑紫哲也さん。今回の『さんか・さろん』では、11月7日が命日である筑紫さんを偲ぶ献杯が行なわれ、創立記念講演当時の言葉を振り返ったり、その人となりについて、中山さんや学会員の方々が語る場面も多くありました。