新宿の、少し怖い?隠れたパワースポット『四谷怪談』で有名な「お岩さん」ゆかりの地を訪ねよう。
日本の古典怪談の中で最も有名な話の一つと言える『四谷怪談』。
中でも江戸時代に鶴屋南北によって創作された歌舞伎作品『東海道四谷怪談』に登場する「お岩さん」は大変有名ですね。
そんな『四谷怪談』ゆかりの地で、商売繁盛や縁結びのご利益もあるとされるパワースポットを巡れば、間違いなく運気もアップ!
「お岩さん」とは?
お岩さんは鶴屋南北の歌舞伎作品『東海道四谷怪談』に出てくる女性でよく知られています。
夫に毒を飲まされて無念の死を遂げたお岩さんが、幽霊となってその恨みを晴らす…というストーリーは大変有名で、現在でも歌舞伎の演目として演じられています。
度々幽霊として登場するこのお岩さんですが、モデルとなった女性が実在したといわれています。
実際のお岩さんと夫は、とても仲の良い夫婦であったとされており、そのお岩さんの暮らした実家があったのが四谷左門町でした。
幽霊として描かれたお岩さん。なんともおどろおどろしい姿…。(歌川国芳画)
四谷怪談ゆかりの地を巡ってみよう
【東京都指定旧跡 田宮稲荷神社跡】
四谷三丁目駅から歩いて約5分ほどの住宅街のなかにある「田宮稲荷神社跡」。田宮稲荷神社は、「於岩稲荷(おいわいなり)」と呼ばれ、四谷左門町の田宮家の邸内にあった社です。
稲荷社は明治12年(1879年)に一度火事で消失し中央区新川に移転されましたが、戦後昭和27年(1952年)に四谷の旧地にも神社を再建し現在に至っているそうです。
この田宮家初代田宮又左衛門の娘であったお岩が実在していた人物と言われており、お岩はこの稲荷を厚く信仰していました。
後に田宮家の婿養子となった伊右衛門とともに協力して、お岩は衰退しかけた家勢を再興したことから、「お岩さんの稲荷」として人々の信仰を集めました。
その後、鶴屋南北の創作による歌舞伎『東海道四谷怪談』が1825年に初演されると、演目は大人気に。
さらに多くの信仰を集めるようになり、現在も『東海道四谷怪談』を上演する際は、その成功を祈って役者さんたちが必ずお参りに来るそうです。
境内はさほど広くはないものの、緑が多く落ち着いた雰囲気が漂っています。
しっかりお詣りをして、開運をお祈りします。
所在地:東京都新宿区左門町 17
アクセス:東京メトロ丸の内線 「四谷三丁目」駅から徒歩約5分
JR総武線「信濃町」駅から徒歩約9分
【陽運寺】
田宮稲荷神社跡の斜め向かいにある陽運寺は、お岩さんを「お岩様」としてお祀りしており、本堂にはお岩様の木造が安置されています。
境内にある泰山木(たいさんぼく)の下に、お岩さんゆかりの祠(ほこら)があったとされたことがこちらの起源なのだそうです。
参道を抜けると立派な本堂が見えてきます。
宝暦七年(1757年)建造の歴史ある薬師堂で、複数の木材を継ぎ合わせた寄木造りの技法で建てられています。
こちらも境内は緑に囲まれ、凛とした清々しい空気が流れています。
お岩さんゆかりの井戸もあり、現在も御霊水として使用されています。
また、「悪縁を除き良縁をもたらす縁結び」に多大なご利益があるとされ、この日も多くの参拝者が訪れていました。
敷地内にはカフェも併設されており、四谷散策の休憩に立ち寄るのもおすすめです。
所在地:東京都新宿区左門町 18
開門時間:8:00〜17:00(受付時間 9:00〜16:30)
アクセス:東京メトロ丸の内線 「四谷三丁目」駅から徒歩約5分
JR総武線「信濃町」駅から徒歩約9分
【お岩供養 水かけ観音像】
こちらは、残念ながら現在見ることはできませんが、四谷三丁目駅前にあったスーパー丸正総本店さんの一角に安置されていた「お岩供養 水かけ観音像」です。
かつて、ビルの建設の際に商売繁盛を祈願してお岩さんにゆかりのあるこの地にお祀りしたそうです。
現在はビルの建て替え工事中のため、その姿を見ることができませんが、新店舗が2025年秋に開店予定とのことなので、再びお目にかかれるかもしれません。
丸正総本店さんのリニューアルオープンも待ち遠しいですね。
以上、四谷に伝わる『四谷怪談』ゆかりの地をご紹介いたしました。
夏といえば怪談。かの有名なお岩さんにまつわる神社やお寺を巡って、この夏の涼をとってみるのはいかがでしょうか…?