四谷荒木町にいる“幸運の芸者猫”おタマさんを探せ!(その1) ~「津の守弁財天」「策の池」編~
■ギュウゾウ:荒木町をこよなく愛する芸人さん。愛しすぎて車力門通りでお店を持ってしまった。過激パフォーマンス集団・電撃ネットワークのメンバー。
■アカギ a.k.a AKG:日中はJGエリアを赤い自転車で駆けまわり、週末はJGエリアでハシゴ酒をしている自他ともに認めるへなちょこライター。
ギュウゾウ「おーい、アカギ君じゃないか。なにションボリ歩いてるの?」
アカギ「いやあ、実は、またJGの企画がボツになっちゃって」
ギ「ふむふむ。じゃあ、一緒に津の守(かみ)弁財天でも行こうか」
ア「策(むち)の池の畔にある弁天さんですよね、でもなんで?」
ギ「ふふふ、弁天さんは学問・芸術の守護神だからな。ご利益があるかもよ」
ア「そりゃ良いっすね、お供しまーす!」
――石畳の坂を下り弁財天へ。
ア「次の企画が通りますように、ムニャムニャ……」
ギ「こらこら、闇雲にお願い事をしてもだめだよ。ここでちょいと豆知識、弁天さんにお参りするときは‘オン ソラソバテイエイ ソワカ’って唱えるんだぜ」
ア「そうなんすか、そりゃ為になるメモメモ。しかし、改めて見るとこの池はなかなか良い雰囲気ですねえ」
ギ「荒木町のシンボル的存在である策の池は徳川家康由来の池で、その昔は歓楽地として名を馳せてかなり栄えていたんだよ。『全国花街めぐり』(松川二郎著)って本によると、八十六軒の芸妓屋と六十三軒の待合があって、芸妓さんは250人もいたんだってよ。ほら、この池の周りにも今は廃業した料亭の『雪むら』や置屋さんがたくさんあるじゃないか」
ア「ほんとだ、塀で囲まれたお屋敷っぽいところもあれば、今はアパートだけど、昔は芸姑さんたちの待合で使われてたような建物もある。昭和の風情を残してて絵になりますね。なんだかタイムスリップした感じです」
ギ「こういう場所だから“芸者猫”もいたりするんだよ」
ア「何ですか、その芸者猫って?」
ギ「この辺を歩いている幻の猫だよ。白粉を塗った芸者さんそっくりな顔をしていて“芸者猫のおタマさん”と呼ばれている幻の猫だ。その猫を見つけてエサをあげると金運、恋愛運、勝負運、芸能運が劇的にアップするという荒木町伝説がこの界隈でまことしやかに……」
ア「ひゃーーーーっ!」
ギ「ふふふふ、アカギ君、弁天さんも良いけど、その猫を探して運気を上げた方が良いんじゃん?」
ア「そう言えばそうっすね! でも、そう簡単に見つかるのかなあ……」
ギ「ん? あの猫あやしいぞ!」
ア「確かに! 顔が白い!!」
ギ「あっ、逃げたぞ! 追いかけよう」
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