新宿歴史博物館『新宿区ができたころ』に行ってきました!
今号のJG本誌の特集では、戦後の新宿東口周辺の歴史を写真とともに紹介していますが、当時を知らない私にしてみれば、かなり昔のおとぎ話のようなイメージでした。そんな中、新宿歴史博物館でちょうど新宿区の歴史についての展示会『新宿区ができたころ』が行われているとの情報をキャッチ。しかも無料で見られるということで、行ってきました。
この展示は、8月31日(金)まで開催されていて、期間中は新宿区が誕生した昭和22年前後の様子を博物館所蔵の文字資料、地図、写真などで知ることができます。
私はこの展示で初めて知ったのですが、新宿区は今から67年前の昭和22年3月15日に牛込区・四谷区・淀橋区の3区が統合されて生まれた街だそうです。翌年の昭和23年4月に歌舞伎町が誕生。この町は、空襲で焼け野原になってしまった地区を復興させようと地元の人たちが作った、劇場、映画館などの娯楽施設を中心とした復興計画案がベースになっています。(歌舞伎劇場建設を目指していたので「歌舞伎町」と名づけたけれど、様々な制約により、歌舞伎劇場建設は実現しなかったという……)展示会では当時の計画復興図や、当時の子どもたちが使っていた教科書や自家製ノート、おもちゃなども展示されていました。
中でも私が印象に残ったのは、昭和25年に産業発展と文化興隆のために行われた『東京産業文化博覧会』についての展示です。このイベントは2カ月間の開催で、初日だけでも20万人の来場があったり、福引き付き前売り入場券の特賞が新型自動車、 一等が文化住宅だったり……と、かなりのにぎわいだったそう。この展示から戦後変革真っただ中だった時代に、誰もが希望や明るさを持っていた様子が伝わってきました。また、それと同時に、月日が経って人も街並みも変化したことをしみじみ思い、なんだかさみしい気持ちになってしまいました。いまの新宿に生きる私たちが今後、新宿という街をどうしていくべきなのか……。
6年後にはオリンピックが東京で開催されますが、今こそ、みんなでひとつになって盛り上げるチャンスがきたのかも……と思わずにはいられない展示でした!
このほか、今後はギャラリートークや、『新宿にムーラン・ルージュがあったころ―戦後軽演劇の興亡』、『闇市と歌舞伎町ができたころ』など展示にちなんだ催しも行われます。開催時期がちょうど子どもたちの夏休みシーズンということもあり、小学生も親しみやすいよう、キャラクターによる解説や、クイズ形式で楽しめるような企画など、親子連れで楽しみながら学べる工夫がされています。『むかしの遊び大会』、『れきはく自習室』など、子どもたちにとって夏休みの自由研究の題材にもなりそうなイベントも。この機会に歴史を知り、自分が描く理想を見つけるきっかけになるかもしれませんね。
【会 場】新宿歴史博物館地下1階の企画展示室
【日 時】~8月31日(日)
休館日第2・4月曜日(7月14日、28日、8月11日・25日)
午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
【観覧料】無料 (ただし常設展は有料)
【主催】公益財団法人新宿未来創造財団
【会場・問合せ】 新宿歴史博物館(三栄町22)電話03-3359-2131