2020年は特別な酉の市!新宿・花園神社宮司 片山裕司さんにインタビュー
毎年11月の酉の日(十二支の酉に当たる日)に、日本各地の鷲神社、酉の寺、大鳥神社で行なわれる“冬の風物詩”酉の市。一の酉(11月2日)を前に、「関東三大酉の市」のひとつとして、毎年約60万人もの人出で大いに賑わう花園神社の宮司である片山裕司さんに、「新しい生活様式」のなかで催される今年の酉の市について語っていただきました。
例年との変更点
①熊手店のみ出店し、境内及び靖国通り歩道上での露店出店は一切なし。
②マスクを着用し、対人と一定の距離を保つ。
③前夜祭・本祭ともに22時をもって祭典終了。
④混雑緩和のための入場規制。
⑤入口での検温・手指の消毒の徹底。
――露店出店が禁止など、例年とは違う催しになりますが、今年の酉の市を開催する思いを聞かせてください
使命感でしょうか。いまできることを着実にやらないと、という思いが一番強いですね。一度途絶えたらそれを再興する、再開するというのは、大変なことだと思うんです。神社は今年、来年良ければいいとかそういう問題ではなく、100年、200年先、それぐらい長い年月を積み重ねていかなければならないので。あと、今年はこの規模で行ないました、じゃあ来年は、まだ新型コロナウイルスの影響は残っているけど、いろいろ規制を設けることでできるんじゃないかという、今後の活動においての試金石になるんじゃないかと考えています。
――ズバリ今年の酉の市の見どころは?
今年は初心に立ち返ったお祭りになると思います。神社に来てお参りをする、お参り後に熊手の授受。もうそれだけしかないんですよね。例年22時を過ぎると肝心要のお参りに来る人はほとんどいないんですよ。でも、露店が並ぶ境内には人でごった返している。少し神社のお祭りの本位から違う方向に逸れ出した部分があるのではと思います。そういった意味では、今年は原点に立ち戻った神社のお祭り本来の雰囲気が味わえるのではないでしょうか。
――参拝者が気をつけること、また、お願いなどはありますか?
人を思いやることでしょうか。マスクを着用し、体調不良の方はご遠慮いただくなど、自分のことだけではなく、周りの人のことも考えての行動をお願いします。例年、最終日に人が集中するのですが、毎年熊手を買う店が決まっている常連の方々は、お店からも連絡がいっていると思うので、ご来社いただく時間をあらかじめ伝えていただいて、熊手授受にかかる時間を短縮していただければ、分散されてありがたいかなと思います。
――最後に、片山宮司から参拝者の皆さまへメッセージをお願いします。
少し静かになった新宿ですが、“新宿は元気にやっています”と、提灯で明るく飾り付けてお待ちしております。また、お参りが終わったあと皆さんで行く直会(なおらい)=神事終了後の打ち上げは、感染症対策を実施している安全な神社周辺の飲食店にお立ち寄り頂き、新宿の街を盛り立てていただきたいです。
令和二年 大酉祭日程
一の酉 11月 1日(日) 前夜祭・ 2日(月) 本祭(酉の日)
二の酉 11月13日(金) 前夜祭・14日(土) 本祭(酉の日)
三の酉 11月25日(水) 前夜祭・26日(木) 本祭(酉の日)