四谷大好き祭り2012~メインステージ/出演者・一龍斎貞寿さんに話を聞いた!
先日の記事でも取り上げた通り、10月6日(土)・7日(日)に開催される『四谷大好き祭り2012』は、メインステージも見逃せません。
昨年、ダイナミックな演奏で観客を魅了した箏演奏グループ「和音」さんが、「お客様との距離感が近く、熱気を感じながら一体となって音楽や雰囲気を楽しめました」と振り返るように、今年もお祭りの期間中は、メインステージが特設される荒木公園が、演者さんと観客が一体となって楽しめる空間になります。
昨年、ステージで司会を務めた一龍斎貞寿さんも、昨年のステージについて「迫力満点で、司会の私も一緒になって盛り上がっていました」とコメント。そんな貞寿さんは、今年は司会としてではなく、出演者の一人として登場。野外での講談を披露します。
普段から荒木町のお店で講談会を開くなど、荒木町に馴染み深い貞寿さん。月に1度、定例で講談会を開いている、車力門通り沿いの「ことたま堂」での講談終りを直撃し、いろいろと話を伺いました。
――昨年はステージの司会を務められましたが、今年は出演者として参加ですね。
昨年は、司会としてアドリブも必要で、芸人としての腕を試される良い機会でした(笑)。司会として見た『四谷大好き祭り』の印象は、“地元に密着したお祭り”というもので、すごく魅力的でした。荒木町・舟町は、夜の飲み屋街というイメージを持たれる方も多いですが、お祭りの日は、町に訪れる方の年齢層が幅広く、親子連れも多かったですね。
――そもそも、貞寿さんと荒木町との関わりは?
いまから約7年前、私が芸人として駆け始めの前座だった頃からのお付き合いですね。当時から、いろんなお店におじゃまして、台を組んで講談をさせていただくなど、本当に可愛がっていただきました。いまでも月に1度以上は、荒木町のお店で講談会を開かせていただいていますし、季節ごとに実施される納涼祭やさくら祭りなどのイベントの司会として呼んでいただいてもいます。芸人としての私の大部分は、荒木町が占めているんです。
――貞寿さんから見て、荒木町はどんな町?
人情味があって居心地が良い町ですね。最初の頃は「一見さんお断りの店も多いんじゃないかな?」なんて、敷居が高い印象を持っていましたが、いざ、足を踏み入れてみると、“第二の家”のような店を見つけられる場所で、本当に居心地が良いんです。私もそうだったように、最初は入りたくても入りづらいと思っている方も多いと思いますが、このお祭りが、荒木町の魅力を知るきっかけになるといいですね。
――当日はどのようなステージを予定?
落語がホームコメディだとすると、講談はドキュメンタリー的なもの。その土地ならではの話ができるのも魅力です。今回は、講談を初めてご覧になるお客さんも多いと思うので、視覚的にもわかりやすいオリジナルの「講談紙芝居」も良いかと思いましたが、やはりこの土地ならではの演題で「四谷怪談」(音曲入り)を予定しています!
――講談初心者でも楽しめる?
もちろん! 「講談は難しい」と思われがちですが、そうでないものもたくさんあります。私は普段から「わかりやすい講談」を心がけているので――、というのも、講談師は全国で80人、東京で60人ほどしか居ないため、初めて観る講談師が私という方もたくさんいらっしゃる、つまり私が面白くない=講談が面白くないになるのは絶対に避けたいんです(笑)。ですから、講談は初めて……という方にも、楽しんでいただきたいですね。とくに、荒木町・舟町のように情緒ある町で観る講談は、絶対に楽しいと思います。しかも、無料で楽しめますし、この機会にぜひご覧になってみてください。
――ますます、当日が楽しみになりました!
人が居ないガラガラの荒木公園で講談するのは寂しすぎるので、ぜひ遊びに来てください(笑)。また、ステージが終われば、今年は私も、芸人仲間を誘って、ブラリブラリとお祭りを楽しむつもりです。見かけたら声をかけてくださいね!」
(貞寿さんは、ステージに出演する前の16:00からは、荒木公園そばの「美舟」さんでの落語会に参加予定)。
一龍斎貞寿(いちりゅうさい・ていじゅ)
所属 : 講談協会 二ツ目 (講談協会理事 一龍斎貞心 門下)
ホームページ:http://teijyu.com/
ブログ http://ameblo.jp/teijyu/
明るいキャラクターと芸風を生かし、域寄席、老人福祉施設、学校寄席、講談教室などでの講演・高座、都内歴史ガイド、イベント・結婚式の司会など幅広く活躍。東日本大震災後は、山形県のペットショップペットハーバーノアとの共同企画「復興支援ポストカード」の活動を続けている。