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書を持ちてオカルトを探そう。「怪処創刊号DVD発売記念イベント これからのオカルト決起集会」

 オカルトとは、“隠されたもの”のことである。今現在の価値観とずれているせいで、隠れてしまっているもの。それらについて考えることで、現代の“普通”を見つめ直すことが出来るのではないか。そんな考えのもと、怪談サークル・とうもろこしの会は、ミニコミ『怪処』を発行しています。オカルトを広く捉えるだけあって、廃墟、温泉、食べ物……と内容は多岐に渡り、「上海小吃」や於岩稲荷などJGエリア内の場所も紹介されたことがあるんですよ。そして、「怪処創刊号DVD発売記念イベント これからのオカルト決起集会」が模索舎で行われると聞いたので、行って参りました! 模索舎は、新宿二丁目にある、自主流通作品を取り扱う書店です。ベストセラーではなくとも凄まじい個性を放つ本がたくさん並んでいる、ここもまた“オカルト”な場所なのかもしれません。

 

 20日19時。模索舎店内は、ぎっしりいっぱいでございます。不気味なBGMが鳴り響く中、20名ほどのお客さんたちが、イベントの始まりを今か今かと待っていました。強いて言うなら2、30代の男性が多めですが、女性もちらほら見受けられ、老若男女幅広い層が集まっています。
「始めますか」とゆるく開始されたイベントは、『怪処』で取り上げたテーマを、編集長・吉田悠軌さん始めとする、とうもろこしの会の方々が談笑しながらさらに掘り下げていく流れ。客席から質問やコメントも度々寄せられ、笑いも多く、オカルトのイメージに反して明るい場内です。
 悪縁が切れることを祈願する場である“縁切り神社”。全国の縁切り神社の写真を見ながら、縁切り絵馬に書かれた願いについて語るコーナーで、吉田さんはこう話します。
「ワインの出来不出来と同じでね、年ごとに流行があるんですよ。ファッション通信みたいにトレンドが」
 今後の縁切り絵馬界では、写真切り抜き系で新たなブームが起こるとにらんでいるそう。憎い相手の写真に画鋲を刺したり、塗りつぶしたり。いやあ、小さい板の上にドラマやドグマが渦巻いています……。そして、やはりお願いごとだからでしょうか、恨みつらみの中にきちんと(?)実名を表記する傾向があるらしく、このネット社会ではFace bookアカウントなど特定されてしまうんじゃないかと心配になってしまいます!
 その後は、会の造形担当・相蘇さん所蔵の不気味な民芸品披露に、現在も続く隠れキリシタンの活動についての吉田さんのお話と続いていきました。このように非常に盛りだくさんで、終了時間も多少延長されたのですが、それでも用意していた内容のまだまだ半分未満しか語れなかったそうです。どのお話もとても楽しくて、頷いたり、笑ったり、あっという間の2時間でした。

 

『怪処』DVDは、創刊号の内容だけでなく、ホラー映画の奇才・白石晃二監督の撮りおろし作品も収録して700円で発売中。紙の『怪処』と共に模索舎でも購入出来ますよ。
 そして、年末の冬コミで発行予定の4号では、全国の奇妙なお祭りや、家主の理想が込められた建物 “理想宮”を特集するそうです。
 奇妙なものは、私たちのすぐそばで、ひっそりと“普通”への反逆を狙っているのかもしれない。一度読んだなら自分も何かを見つけたくなる、オカルトスポット探訪マガジン『怪処』。今最も面白い雑誌のひとつだと間違いなく断言します。

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